掲載日:2018年5月25日

ソニーの公式ウェブサイトを支えるヴィジョンアーツの強みとは
AWSを活用し自動化を駆使、24時間365日間落ちないインフラ基盤を実現

ソニーグループのクラウドインテグレータとして、クラウドインテグレーションのほか、コールセンターやウェブサイトの構築、運用に特化したソリューションなどを専門的に提供しているヴィジョンアーツ。24時間365日、止めることができないソニーの公式ウェブサイトをAWSに移行し、クラウドの良さを活かした運用保守体制の自動化を実現。高い柔軟性と拡張性、さらにはセキュアで信頼性のあるインフラ基盤の構築と運用を行っている。

ソニーの公式サイトをAWS化し、さまざまな課題を解決

田尾幸弘
ウェブサイト課 統括課長・田尾幸弘

ヴィジョンアーツは、主にクラウドインテグレーション、コールセンターの構築、運用、そしてウェブサイトの構築、運用といったソリューションを持っており、それぞれの分野で専門性に富んだサービスを提供しています。

その中でウェブサイトの構築、運用を担当するのが私たちウェブサイト課です。1995年に国内でいち早くウェブサイトの運用を開始したソニー株式会社ホームページ室が母体となっており、「ソニーならどういったシステムを構築すべきか」を熟知した技術者が多く所属しています。

ソニーでは日本向け海外向けの2つのコーポレートサイトを運営しており、月間ページビューは両サイトで300万を超え、日本向けに約1万ページ、海外向けには2万ページを超えるコンテンツを保持しています。コンテンツの更新は双方合わせて月に300件ほど。さらに不正アクセスにも気を配らなければなりません。こういった状況の中、さまざまな工夫を施して公式サイトを安全かつ順調に運用しています。

ソニーは元々、自前ハードウェアによるオンプレミス環境でウェブサイトを運用してきましたが、利用してきたハードウェアが保守切れを迎えることをきっかけに、2016年4月にヴィジョンアーツが移行プロジェクトを引き受けました。移行にあたっては課題もありました。その1つがBCP対策です。同時にグループサイトの統合化も進めていたため、インフラの拡張性をどう確保するかを考えなければなりませんでした。さらに昨今はコンテンツのリッチ化も進み、動画や画像データも増加傾向にあります。効率良くウェブページを公開する仕組みの構築も急がなければなりませんでした。

ヴィジョンアーツは元来、クラウドインテグレータです。そのため、当初からクラウドは移行先として有力候補に挙がっていました。その上、2017年3月までの限られた時間で確実な移行を行う必要があり、既存環境になるべく手を入れずにストレート移行ができることも移行先の条件でした。既存環境はUNIXベースだったので、それをスムースに移行できるとしてAmazon Web Services(AWS)を選択しました。もちろん、AWSの柔軟性と拡張性の高さを評価し、実績も多くさまざまな情報が揃っていることが選択した理由でもあります。(田尾)

AWSのシステム図

運用保守の自動化を実現し24時間365日止まらないインフラに

高木秀明
インフラ構築責任者・高木秀明

2016年7月にAWSへの移行方針が決まり、そこから具体的な構成の検討を開始し、同年10月には移行環境の構築に着手しました。しかし、移行にあたり、既存環境全てをそのままクラウドに乗せたわけではありません

たとえばコンテンツの格納には、オンプレミスではNFS(Network File System)の共有ストレージを利用していたのに対し、AWSではAmazon EC2のファイルシステムであるAmazon EFSを採用しました。Amazon EFSには基本的に容量制限がなく、ディスク容量を逼迫する心配がない点が魅力でした。一方で、自動バックアップ機能がなく、別途構築しなければならないというデメリットもありました。有用な資料が少なかった当時、時間を要しながらも構築に取り組みました。

移行にあたり、運用保守作業の自動化にも踏み出しました。ウェブサーバーなどの稼働状況を監視し、インスタンスが落ちてもすぐに検知して自動復旧する仕組みを導入したのはその時です。他の障害も深刻度に応じて分類した上で、軽度な障害が夜間などに発生した際は外部運用者に依頼して復旧できるようにし、深刻度が高い障害だけを内部で対処するエスカレーションの仕組みも構築しました。これらの活用によって、24時間365日止まることがないサポート体制を少ない社内技術スタッフで実現できるようになりました。

他にも、AWS Lambdaのサーバーレスなどもいち早く採用し、細かい管理作業も自動化しました。安定性、信頼性面ではAmazon VPCの仮想プライベートクラウド機能を用いて、サブネットに分離することでセキュアな環境を構築しています。可用性については、AWSのMulti-AZの活用で、仮に一方のサーバーが落ちてもウェブサイトは動き続けます。BCP的にもかなり良い仕組みができあがりました。

今回のクラウド化では、AWSだけにこだわるのではなく、最適なものを適宜選択して活用しています。高速なコンテンツネットワーク配信機能には従来使い込んできたAkamaiを利用。当初はAWS CloudFrontも検討しましたが、すでにAkamaiでファイヤーウォール定義などチューニングを重ねてきた実績もあり、Akamaiと組み合わせのほうが効率的という判断に至りました。

最終的にAWS上の新たなインフラ環境は3ヶ月ほどで構築できました。ソニー規模のコーポレートサイトのインフラでは、かなり短い期間と思われるかもしれませんが、十分な時間がもらえたと思います。クラウドの仕組みを活用したので、セキュアで安定性の高い環境を少ない人数で短期間に構築することができました。

2017年1月から十分な検証を行い、3月にはAWS上でソニー公式サイトの稼働を開始しました。切り替え時にも問題は何も発生しませんでした。(高木)

AWS化と自動化により安定した運用を実感

山口泰弘
運用責任者・山口泰弘

稼働から1年ほどが経過した現在でも、障害でウェブサイトが停止するようなトラブルは一切発生していません。パブリッククラウドを利用しているため、一部のインスタンスが止まることは時折ありますが、その場合もインスタンスは自動で復旧するので、ウェブサイトへの支障はありません。自動化の仕組みが十分に機能しており、何かあっても我々は復旧されたという通知をメールで受け取るだけです。これまで運用における手間はほとんどかかっていません。(山口)

小池和裕
運用責任者・小池和裕

運用を引き継いだ際、ドキュメントもしっかり揃っていて新しいメンバーでも苦労しませんでした。ソニーのデータセンターで大規模インフラの構築、運用を長年経験したことで、ドキュメントをしっかり残しノウハウを継承する文化がヴィジョンアーツに浸透していたからだと思います。(小池)

公式サイトの運営経験をグループ各社にも活かす

その他の効果としては、追加リソースが必要な際に見積もりをとったり、ハードウェアを購入してセットアップしたりといった手間がなくなったことなどが挙げられます。リソース追加なども需要に応じて柔軟に対応でき、今後のグループサイトの統合でも大きな効率化につながると我々は考えています。その上でコーポレートサイトでの「落ちない」実績は、グループ各社に大きな安心感を与えられるのではないでしょうか。

これからは公式サイトの運営で培った経験をソニーグループの各種ウェブサイトに活用できると見込んでいます。ソニーグループにはセキュリティやコンプライアンスを確保するためのさまざまなルールがあり、私たちはそれらを踏まえたサイトの素早い構築や運用が可能です。こういったノウハウを活かし、グループ各社のウェブマスターの課題を解決するサービスの積極的な展開を考えています。

すでに寄せられた相談の中で、急にウェブマスターをアサインされ、何から手を付けて良いのか分からないというケースも見受けられます。そのような場合も、ルールに沿ったウェブサイトの構築から運用に至る全てをサポートすることが可能です。

さらにソニーグループでは、高齢者や障害者なども含めたあらゆる人が容易に情報やサービスにアクセスできるようにする、アクセシビリティにも力を入れています。コーポレートサイトも3年ほど前からこれに取り組み、すでにWeb Content Accessibility Guidelines 2.0に準拠したものとなっています。このノウハウも今後はグループ内に積極的に展開したいです。そうすることでウェブのインフラ運営の手間を削減し、グループ各社の担当者の方は本来の業務に集中してもらえると思っています。

もちろんグループ外にも、セキュアで柔軟性の高いウェブサイトを手間なく構築、運用したいニーズは少なくありません。ヴィジョンアーツとしては、将来的にそういったニーズにも応えていきたいと考えています。

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